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Bill Crowder

Bill Crowder

ビル ・ クラウダー氏は、コンテンツ部門の責任者です。Discovery Series (探求の書シリーズ) や Discovery House Publishers に数多くの著書があります。クラウダー氏と妻マーリーンには 5 人の子どもと数人の孫があります。

寄稿一覧 Bill Crowder

壊れたものの修復

バスが着きました。そこは待ちに待ったイスラエルの発掘現場です。私たちはここで実際に作業をさせてもらうのです。現場監督は、私たちが掘り出す物は、それが何であれ、何千年も人の手に触れられずに埋まっていたものだと説明しました。割れた陶器の破片を掘り出しながら、私たちは文字通り歴史の一端に触れたように感じました。しばらく発掘をした後、作業場に案内されると、復元中の大きなつぼが置かれていました。古代の壊れた陶器の復元作業をしている職人たちは、壊れたものを喜んで修復される神の姿を映しているように感じました。

感謝の心

古代ローマの偉大な哲学者セネカ(紀元前4年~西暦65年)は、皇妃メッサリナに姦淫の罪を告発され、元老院に死刑を宣告されました。しかし、皇帝クラウディウスは、コルシカ島への流罪に処したのです。おそらく、告発が虚偽だと思ったのでしょう。この減刑が、感謝に関するセネカの考えに影響を与えたのかもしれません。彼は、次のように書き残しました。「殺人、圧制、窃盗、姦淫、強盗、冒涜、反逆は、常に存在するが、それを超える重罪は、恩知らずという罪だ」

聖霊が教えてくれる

フランス軍がエジプト遠征に赴いたときのことです。宿営の防備を強化しようと砂漠を掘っていた兵士が、思いがけない大発見をしました。彼は石を見つけましたが、ただの石ではなく、ロゼッタストーンでした。そこにはプトレマイオス5世が発した勅令が3つの言語で書かれていました。現在、大英博物館の所蔵品であるこの石は、19世紀最大の考古学の発見のひとつで、ヒエログリフと呼ばれる古代エジプトの象形文字の謎を解く鍵となりました。

悲劇の記憶がお祝いに

ウエストバージニア州の小さな村で、1907年12月6日、炭鉱爆発が起こりました。360人の鉱夫が亡くなり、夫を失った250人の女性と、父を奪われた千人の子どもが残されました。歴史家たちは、彼らの追悼式が、米国の父の日のきっかけだと述べています。悲劇の記憶は記念となり、やがて、祝い事になりました。

嘆きの中の希望

ロンドンのタクシー運転手は、空港に向かう車内で、身の上話をしてくれました。戦争と貧困から逃れて、単身15歳でイギリスに渡り、11年経った今、家庭を持ち、家族を養うことができています。母国ではあり得ない幸いですが、今も親兄弟と離れ離れで辛いと嘆いていました。困難な旅路は、家族と再会するまで終わらないと語りました。

平安な人生

オーストラリアのパースに、シャロームハウスという依存症患者の更生施設があります。入所者はスタッフに親身に寄り添われる中で神の平安と出会います。薬物、アルコール、ギャンブル依存などで人生をめちゃくちゃにしてしまった人たちが、イエスの十字架によって変えられます。自らの人生がイエスの復活によって再生されると気付くのです。

渇きを癒やす水

バイカル湖は世界一深い湖です。最大水深は、約1,600メートル、南北636キロ、東西幅は79キロと広大で、世界中の地表淡水の5分の1がここにあると言われています。しかし、この湖はロシアの辺境のシベリアにあり、簡単に到達することはできません。地球上には深刻な水不足の地域もあるのに、こんなに豊富な水に手が届かないのは皮肉な話です。

目に見えないもの

歴史家の間では、1945年7月16日に原子力の時代が始まったと言われます。最初の核兵器をニューメキシコ州の人里離れた砂漠で爆発させた日です。しかし、古代ギリシヤの哲学者デモクリトス(紀元前460年頃~370年頃)は、大昔に原子の存在を信じ、物質の根源は、目に見えない原子だと論じました。

犠牲

ミケランジェロの最も感動的な作品は、1540年代、友人ヴィットリア・コロンナのために描いたピエタ、イエスの母が息子の亡骸を抱いているチョークの絵画です。マリヤは息子の動かない身体を抱きながら、天を見上げています。背後の十字架には「いかほどの血が流れたのか、知るよしもなし」というダンテの「神曲 天国篇」の一節が記されています。そのとおり。イエスの死に思いを致すとき、その犠牲の大きさをよく考えるべきです。